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志村ふくみ 著/人文書院 (2012/12/1)/182ページ/新刊
詩人リルケが残した書簡を辿り、志村ふくみさんの美しい文章から、リルケの新しい一面を知る一冊。
リルケを取り巻く女性たち、そしてその人生が、なぜだか、志村ふくみさん、そして読んでいる私たちの人生に重なるようなそんな気持ちになる1冊。
美しい装丁も著者によるもの。
「こうしてリルケの書簡を読んでいる時、私は全く別のリルケを感じる。彼のとり乱した苦悩にあえぐ姿を読者は知らない。……まことに天才は測りがたい。生身の人間であることを忘れて、われわれはその作品のみをみとめようとするが、その背後に傷だらけのみじめな人間がじっとたたずんでいる。黒い鉄格子のはりめぐらされた現世の暗い室内から、夜空に時折光彩を放つ群星のような詩が生まれるのだ。幸か不幸か、私はこの書簡集に出会ってしまった。……」(本書より)