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人はかつて樹だった/長田弘

1,980円

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「物語の家族のように/母のように一本の木は/父のようにもう一本の木は/子どもたちのように小さな木は/どこかに未来を探しているかのように/遠くを見はるかして/凛とした空気のなかに/みじろぎもせず立っていた。/私たちはすっかり忘れているのだ。/むかし、私たちは木だったのだ。」(「むかし、私たちは」より) いまの日本で、谷川俊太郎にならんで多くの読者の心を動かす詩人長田弘による、三年ぶりの新詩集。前作『死者の贈り物』は、親しかった場所や人や書物にささげられていた。21篇を収めるこんどの詩集ではもっと自由に、私たちをとりかこむ自然や世界を歌っていてみごとである。 I 世界の最初の一日 森のなかの出来事 遠くからの声 森をでて、どこへ むかし、私たちは 空と土のあいだで 樹の伝記 草が語ったこと 海辺にて 立ちつくす II 春のはじまる日 地球という星の上で 緑の子ども あらしの海 For The Good Times 秋、洛北で メメント・モリ カタカナの練習 見晴らしのいい場所 nothing 私たちは一人ではない あとがき

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