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著者 押井守 今敏
出版社 復刊ドットコム
判型 A5
頁数 246 頁
ジャンル コミック・漫画
ISBNコード 9784835456980
未完の大作『セラフィム 2億6661万3336の翼』。
連載終了から24年、押井守が初めて今敏を語った本音のインタビューを収録した“増補復刻版”として刊行決定!
2010年、世界的なアニメーション監督となった今敏が、46歳の若さで亡くなりました。
本作品『セラフィム 2億6661万3336の翼』は、彼がまだ30代になったばかりの1994年から翌1995年にかけて、老舗アニメ情報誌「アニメージュ」(徳間書店)で連載され、その後、未完のまま封印がされていた作品です。
その後、雑誌連載終了から15年を経て、没年である2010年末に追悼企画として出版されました。
物語は近未来21世紀初頭。
地球上のあちこちで、肩甲骨が翼状に変容し、幻覚におかされる天使病という死に至る病が蔓延してきた。その感染によって世界中の各国では旧来の秩序は崩壊。宗教、経済、軍事など、さまざまな問題もはらみ、人の心の不安がむき出しとなった世界--- すべてが異端の地となった世界を、その「発端」をさぐるため、謎の少女セラと二人の男・バスタザル、メルキオル、そしてバセットハウンドのガスパルは、旅を続けていた。目指すは新疆ウイグル自治区南部にある中国最大の砂漠、タクラマカン砂漠---。
天使、鳥、バセットハウンド--- など。
作中で使われているモチーフを見れば一目瞭然ですが、押井守の原作として、宮崎駿氏による『風の谷のナウシカ』の長期連載が終了した「アニメージュ」誌で、その枠を継ぐ漫画作品として企画されたものです。
しかし、連載が1年を越えるころを境に、押井と今の対立が表面化します。
著者表記の「原作」が「原案」へと変化し、物語は完結を迎えないまま、全16回の連載が過ぎた1995年11月号で、唐突に終了します。
ほぼ同時期に、押井守は世界的評価を経た監督作『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』を発表。アニメーション監督に転身した今敏は1997年に、こちらも海外に大きな影響を与えた初監督作品『PERFECT BLUE』の公開に至ります。
本作品執筆を契機に残念ながら決別をすることとなってしまう二人の世界的クリエーター。
互いに長年口をつぐんでいたものの、このたびの《増補復刻版》では、その一方である押井守のインタビューを新規取材・収録するスペシャル版としてお届けします。
▼著者プロフィール
押井守(おしい まもる)
1951年生まれ。東京都出身。東京学芸大学教育学部美術教育学科卒。
映画監督・演出家。
タツノコプロダクションに入社、テレビアニメ「一発貫太くん」で演出家デビュー。
その後、スタジオぴえろに移籍し、「うる星やつら」ほか、数々の作品に参加。後にフリーとなる。
日米英で同時公開された劇場版アニメ『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(95)はジェームズ・キャメロン監督やウォシャウスキー兄弟ほか海外の著名監督に大きな影響を与えた。また、『紅い眼鏡』以降は、『アヴァロン』など多数の実写映画作品にも意欲的に挑戦を続けている。主な監督作品『機動警察パトレイバー』『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』など。
今敏(こん さとし)
1963年10月12日生まれ。北海道出身。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒。マンガ家、アニメーション監督。
大学在学中の1985年、ちばてつや賞を受賞し、マンガ家としてデビュー。マンガ作品としては『海帰線』、『ワールド・アパートメント・ホラー』、短編集『夢の化石』(以上 講談社)、『OPUS』上・下巻、『セラフィム 2億6661万3336の翼』(以上 徳間書店)がある。
1990年以後、劇場用作品を中心に、美術設定やレイアウト担当としてアニメーションの世界でも活躍。1998年には、映画『パーフェクトブルー』で初監督。その後、2002年『千年女優』、2003年『東京ゴッドファーザーズ』、2006年『パプリカ』を発表し、世界各国の映画賞を受賞。また、2004年には、TVアニメ『妄想代理人』を、2007年には短編アニメ『オハヨウ』を制作。
2010年8月24日逝去。享年46歳。