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医学書院の「シリーズケアをひらく」の新しい本入荷しています。中井久夫さんのことを深く敬愛する村澤さんたちよる1冊。村澤和多里、村澤真保呂のお二方による本で『中井久夫との対話』という本が、河出書房新社から刊行されていて、僕はその本を持っているんですが、おふたりの真摯な姿勢や学問への情熱、それから師と言える精神科医の中井久夫さんへの尊敬の念から、その思考をどうにか次世代に向けても受け継ぎつつ開かれようとする姿勢に僕は深く感銘を受けたものでした。そのおふたりの本ならば仕入れなくてはなと思い仕入れました。内容は以下。中井久夫さんの『治療文化論』も念頭にある本のようです。あの本も庭文庫の定番本として、おすすめし続けています。
✳︎
異界の歩き方
ガタリ・中井久夫・当事者研究
シリーズ ケアをひらく
村澤 和多里 / 村澤 真保呂
医学書院
2200円税込
行ってきます!──精神医療を刷新する意外な到達点。
精神症状が人をおそうとき、世界は変貌する。異界への旅が始まるのだ。そのとき〈旅立ちを阻止する〉よりも、〈一緒に旅に出る〉ほうがずっと素敵ではないだろうか。フェリックス・ガタリの哲学(「機械」!)と、べてるの家の当事者研究(「誤作動」!)に、中井久夫の「生命」への眼差しを重ね合わせると、新しいケアとエコロジーの地平がひらかれる! これまで交わらなかった三者による、発見と生成と意外な到達点。
I 異界
第1章 症状を活かす
第2章 「憑きもの落とし」と当事者研究
第3章 「個人症候群」と異界
コラム1 向谷地生良とべてるの家
II 自然治癒過程
第4章 レインと「反精神医学」の試み
第5章 中井久夫と流動の臨床哲学
第6章 心の自然を取り戻す
コラム2 中井久夫の「寛解過程論」
III 精神のエコロジー
第7章 精神のエコロジーにむかって
第8章 精神、文化、自然
第9章 自然環境にむけてケアをひらく
コラム3 ラトゥールとガタリ
終章 すぐそばにある異界
「…鍵になるのは「異界」である。
私たちが心を病み、「あたりまえ」の世界を失うとき、そこには必ず異界の扉が開いている。多くの「心のケア」においては、この異界の存在を見ないようにしたり、その扉をなんとか塞ごうとしたりすることに力が浪費されてきた。
しかしその結果、かろうじて「あたりまえ」の世界が維持できていたとしても、それと引き換えに、生命の輝きはくもり、ただ生かされるばかりの存在になってしまうこともある。生きることと、死なないこと、生かされることは違うのだ。
この本では、あえて異界に分け入っていこうとした人々の実践と思索をたどっていく。その道のりは真っ直ぐであるはずもないが、それをくぐり抜けることによって、私たちはふたたび真の意味で生きられる世界へとたどりつくことができるのではないだろうか。
先人たちの張った伏線をたぐりながら、この異界を歩く地図を描くことが、この本の真の目的であるのかもしれない。
少し前置きが長くなった。これから伏線を回収しにいくことにしよう。」
序文より引用。
おもろそうですね。僕も様々な異界を旅してきました。ガタリとべてるの家、中井久夫の思考からなにが見えるのか。僕も読みたい本ですこれは。webにもあげますね。おもろそう。
百瀬雄太