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メメント・モモ 豚を育て、屠畜して、食べて、それから / 八島良子

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ふとXを眺めていたおりにこの写真、1枚目の写真を目にした。それでなんとなく直観でこの本は入荷しようと決め、入荷した。入荷を決めたきっかけのひとつにあたるのはたぶんナカモトショウヘイさんの個展が庭文庫で行われていたおりに石原弦さんが展示も観にいらしてそれでいろいろと話しをした、その話の内容からもたぶんある。弦さんは養豚業を営む方でありまたうちから詩集を出してくれた詩人だ。イシ最後のインディアンのあのイシに似ている。姿形がだ。それはいい。弦さんと話した。というか彼の話に耳を傾けていた。養豚のこと。単に弦さんが行う自分のところのその仕事のみならずもっと巨きな構造。パレスチナ詩のこと。戦争。人間は人間を殺す戦争をする。人間は豚を飼い殺す。愛着が産まれることもある。相手は生きもの。なのだからだ。 ⁡ この本はどうやら著者の方が島で豚の人工授精から胎児の誕生から飼育から屠殺までを自分でやった記録らしい。この1枚目の写真などはその著者と豚。豚の名はモモという。エンデのモモから来ているらしいし、それと島の名前も掛かってるのかな。モモ。メメント・モモ。モリではなくてモモ。僕もモモちゃんなのでか関係はないがふと僕がその豚だとしたらと想像する。またその豚を育てるこの著者だったらとも想像する。三元豚はうまい。しかしそしてこれは可愛い。こんなにも可愛いものを飼育して僕は殺して食える気がしないあたり文明的だというか殺すことから遠くに生きている。それを誰かに任せてただ肉とされたものを毎日のように食う。これがじゃあ名も知らぬ豚でなく友達の人肉だったとしたらどうなのかと想像する。それは無理食えないと多くの人間がいうだろう。肉は肉なのに。そして。 ⁡ いろんなことを想う。 豚を育てて殺すこと。 あまりにもあたりまえのこと。 その、遠さ。 ⁡ ✳︎ ⁡ メメント・モモ 豚を育て、屠畜して、食べて、それから 八島良子 幻戯書房 3520円税込 ⁡ "わたしは生きて死ぬことを 日々カウントしている。 ⁡ コロナ禍の瀬戸内海・百島。 愛豚と向き合った333日の記録。 ⁡ 写真+図解100点超 ⁡ 青臭い理想の先に待ち構えていた不条理。 ⁡ 「……ラップ! ラップください!」 見境なく叫んだ。そして手渡された梱包用のラップを何層にも重ねて炭酸ガスが漏れないよう塞いでいく。穴の奥に見えるモモは少し落ち着いていて、再度こちらへ向かってくる気配はない。穴を塞ぎ終え、もう一度モモの真横に移動して反応を見る。モモは自分の身体のふらつきが気に入らなさそうに、後ろ側の単管パイプにお尻をもたせかけていた。朦朧としながら大きな鼻で繰り返す深呼吸には、しゃっくりが混ざってきている。そして、立つ気力が失せたとばかりに腰を落とし、手足を伸ばしてうつ伏せになった。ぐったりと眠そうに脱力している。そのまま、しゃっくりを数分繰り返すと、徐々に呼吸が小さくなっていった。(「III 自家用屠殺」より)" ⁡ ✳︎ ⁡ なぜ人間は人間を殺してはならないのかなどもこうした次元からも考える必要があるだろう。 ⁡ 百瀬雄太 ⁡

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