谷川俊太郎さんが、亡くなり、そうだ、そういえば、ナナロク社さん刊行の『おやすみ神たち』が、重版されたのだったなあと思い、再入荷しました。詩の言葉と、川島さんの写真の織りなす本。
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おやすみ神たち
詩:谷川俊太郎 写真:川島小鳥
ナナロク社
2750円税込
装丁:寄藤文平 鈴木千佳子
仕様:A5判変形 上製 オールカラー 176ページ
ISBN:978-4-904292-53-2 C0072
この世での故郷の先に
あの世での故郷があるのではないか
タマシヒはたぶんそれを知っている
(収録詩「故郷」より)
〈タマシヒ〉とは何か。その先には何があるのか。
目に見えない〈タマシヒ〉を描いた
新作書き下ろし詩27篇、
撮りおろし写真102点を収録。
〔プロフィール〕
谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう)
1931年東京生まれ。1952年第1詩集『二十億光年の孤独』を刊行。詩作のほか、絵本、エッセイ、翻訳、脚本、作詞など幅広く作品を発表し、近年では、詩を釣るiPhoneアプリ『谷川』やメールマガジン、郵便で詩を送る『ポエメール』など、詩の可能性を広げる新たな試みにも挑戦している。小社刊行の著書に、『生きる』(松本美枝子との共著)、『ぼくはこうやって詩を書いてきた 谷川俊太郎、詩と人生を語る』(山田馨との共著)、あたしとあなた』がある。
川島小鳥(かわしま・ことり)
1980年東京都出身。写真家。早稲田大学第一文学部仏文科卒業、沼田元氣氏に師事。
2011年写真集『未来ちゃん』(小社)刊行と同時に『BABY BABY』(学研)を復刊。2014年『川島小鳥写真集 明星』(小社)刊行。2015年同作にて第40回木村伊兵衛写真賞受賞。2017年福井・金津創作の森にて、個展『境界線で遊ぶ 川島小鳥展』を開催。
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谷川さんが僕のことを昔に詩人に変えた。19、20歳、毎日死ぬほど死にたくなっていた僕に彼は詩集を通じて詩を教えた。彼は別に僕に詩を教える気などない。彼は僕のことをおそらくは知りもせず刊行された彼の詩集を僕が勝手に買って読み、それで撃ち貫かれて詩人になった。ありがとね谷川さん。ナナロク社さん刊行のあの『生きる』というそちらも詩と写真の本を買い、僕はあなたのトークショーも観た。そしてあなたにサインをもらい握手もしてもらった。岩のようなごつごつとした拳で、不思議なくらいひんやりと静かなあなたのあの手の皮の冷たさをよく覚えているよ。谷川さん。おやすみ。
ももせ