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柊有花さんの『旅の心を取り戻す』(七月堂)を再入荷です。詩も絵も本の作りもすべてがマッチした素晴らしい作品。素晴らしい本です。そしてひとつめの詩からしほちゃんの今回の展示に響きあうものが、現れています。
祝福。生命の生誕の祝い。産まれることが僕には長らく祝福と思えなかった。僕は生まれないほうがよかったのにと思えた。そうとしか思えなかったのは、様々な傷から生じた悲哀が、この僕の生命存在を否定する力として働いたからだった。そもそもが本来的には、存在に、産まれることの否定などは存在しない。原罪などはない。産まれるものは、ただ産まれる。そのただ産まれたものがみずからの存在を否定せんとしる力をももつ。僕は幸せになどはなってはいけないのだと思って生きていた。
生の祝福。無垢な魂はみずからを疎外しない。やがて死を迎えるだろうがこの世の明るみのなかに真っ裸で息をする。存在がただただ、存在する。そこからいろいろな経路を経ながら人は、価値や目的や意味やさまざまなものにより疎外される。しかしながら取り戻すこともできるものだ。その無垢なる生の地平を。帰ることができるのだそこに。ただ存在することがそれ自体として祝福でありえる場所へ。僕はそう思う。
柊さんのこの詩集は素晴らしい。webにも載せますね。店頭でよく売れる1冊です。
ももせ