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音盤の来歴/榎本空

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1,980円

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夜だね。こんばんは。ももせです。昼間石原弦さんから送られてきた写真を転載。晶文社さんから刊行された榎本空さんの新刊本に弦さんの詩が、いくつか紹介されているそうです。 ⁡ 石原弦さんはうちの出版レーベルであるあさやけ出版から詩集を刊行してくれた同じ市内、串原町にて、養豚の仕事をしている詩人。弦さんが育てた豚を原材料として彼のお父さんたちが営む山のハム工房ゴーバルにてソーセージなどが製造され、うちの宿泊者さん用の朝ごはん調理キットには、そのソーセージが入っています。地産地消てな感じでね。あと美味いので。あれ。 ⁡ 榎本さんはうちで前から静かにおすすめし続けている『それで君の声はどこにあるんだ? 黒人神学から学んだこと』の著者です。ゴーバルの桝本さんの娘さんの旦那さんなのだっけな確か。あの本も本当に素晴らしい、キリスト教とか黒人神学とかまるで関心がなかった方にこそなにか読んでみてもらいたいとすら思う本。エッセイであり紀行文学的でもあり、たとえば須賀敦子さんの本などがお好きな方にも読んでみてもらいたいとか、いろいろと思う。僕は彼の師にあたるジェイムス・H・コーンのことや、その他、黒人の生の解放に向けて命を動かしたマルコムXやキング牧師についてはすこしばかりしか聞き齧りがなかったのだけれども、榎本さんのあの黒色の本を読む時に、キリスト教というもののひとつの生きられる力能、そこにあるたましいをかけた祈りの力、慈愛ともいえるものがなぜか端々からまざまざと実感されてくる。稀有な本であり稀有な書き手として僕はあの本と榎本さんの書くものをおすすめし続けています。深く食い入りすぎてなかなかおすすめの紹介文が書けていなかったのだけれども、ようやく少し。 ⁡ そんな榎本さんが愛する音楽、音盤などについてを中核に据えながら書いた本らしいと知り、この本は仕入れなくてはと明日たぶん庭に届きます。 ⁡ ✳︎ ⁡ 音盤の来歴 ――針を落とす日々 榎本空 晶文社 1980円税込 ⁡ ここには、人間を生かそうとする言葉が書かれている。 ──永井玲衣 ⁡ 1枚のレコードを通じて関係する、無数の人生。 この世界を諦めずに歩んでいきたいと思いました。 ──後藤正文 ⁡ 虐殺が続く世界の片隅で、静かにレコードに針を落とす。音楽に守られた日々の記録。 ⁡ アメリカで神学と人類学を学び、自分のVOICEを探す日々の裏で、心の支えとなった音楽があった。ブルーズ、ジャズ、ロック、ソウル……いまも保持する愛着の深い音盤群と、ニューヨークで、ノースカロライナで、そして沖縄で出会った心やさしき人々との交流をもとに語る生活の記録。ガザで、ウクライナで、シリアで虐殺が続くなか、音楽はシェルターとなりうるか? 若き神学・人類学者による、世界の片隅からの祈りにも似たメッセージ。 ⁡ “わたしがレコードを聴いていたのも、結局は似たような理由からだったのだと思う。ときにあまりに残酷で醜悪な世界から身を隠すため。閉ざされた内密の空間で生を実験するため。歌ってみたり、踊ってみたり、もうひとつの世界を、ありえたかもしれない今を想像したりして。もちろんレコードは片面二十分足らずで終わってしまうのだけれど。そしたらまた針を落とせばいい。そうしている少しの間、この世界をかたわらへ寄せて、別の世界へ、あるいは別の惑星へ。”(「あとがき」より) ⁡ ✳︎ ⁡ 榎本さんのそれで君の声はの本にある中核のメッセージとして、そして彼自身がおそらくは神学者たちから得た祈りとして、そこには彼の自らの声、自らのVOICEを探る旅路のようなものがあり、またその自身の声VOICEの探求の過程が、それ自体として読み手に感染する、そうやって読み手である僕の身心もまた、君の声はどこにある?と深く問いに立たされる。きわめて生に直結する問いかけとしてのその者の固有のVOICE。声とはそこで音声の声を声、肉声を超えたたましいの震えのようなものを問う、おまえはなにを望みまた祈る?おまえはおまえをどのように生きる?そうした根本的なる問いが読書のなかで浮上する。その意味でのVOICE、声とは、まさに生、命そのものが求め発する思想であり、また自らや世界を愛する、祈りとしての声情である。『それで君の声はどこにあるんだ?』、大変におすすめの1冊です。 ⁡ この新刊本もきっと素晴らしい。僕の愛聴してきたミュージシャンたちの名前がたくさんあがっていて今から読むのが楽しみだ。アラン・トゥーサン、ライ・クーダー、レオン・レッドボーン、細野晴臣。…彼の書物はとても音楽的だ。声を聴く。声を問う。そのような本が読みたい方々には絶対読みなと薦めたい。きわめて素晴らしい1冊である。 ⁡ 百瀬雄太

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