





























グリーフケアという言葉には多く「死別の悲しみからの回復」というニュアンスが強く込められることがあるけれど、本来的にグリーフの意味に立ち返れば、単に死別だけをは意味しない。愛する対象の喪失体験は死以外にもありえる。たとえば深く恋愛することでその先に別れを経験した方々のなかに、その傷が癒えずうまく恋愛できなくなっている方もいれば、人にかぎらず、愛する犬や猫の喪失や死別なども、その愛情念が、深いほどに強く傷や悲しみを残す。そうした巨きな意味での悲嘆をケアすること。グリーフケアとはそのような意味合いで読まれうる。
なにかそういうものについてわかりやすく手に取りやすく読みやすい本も置こうと思った。それは、悲嘆に暮れなにも手につかない時には、読むのに体力や精神力の要るものにはなかなか心が動かないこともあるからだ。多くの方々の経験知、体験から紡ぎ出された、悲しみに向き合う、それと共に生きる作法、コツ。
いろんな方に役立つ本じゃないかなと思う。
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もう会えない人を思う夜に
著 | 坂口幸弘
著 | 赤田ちづる
Discover21
1815円税込
大切な人を亡くしたあなたへーー
悲しいだけ、悲しんでいい。
そして、再び歩き出すための28のヒント。
老親や家族、長年連れ添ったパートナーや、友人との死別、
世間では「ありふれた死」と呼ばれるものかもしれない。
でも、大切な人の死は、やはりつらく、悲しいもの。
そんな別れの痛みや苦しみを癒すのが「グリーフケア」と呼ばれるものです。
グリーフとは、日本語で「悲嘆」という意味。
大切な人を亡くした喪失感や悲しみ、といった感情に 自分なりに向き合い、癒していくヒントを綴った一冊です。
グリーフケアを専門に研究、教育を行い、
病院や葬儀社などと連携して、数々のケアの実践を行ってきた著者が、
734の体験知から紡がれた、
喪失から再生への知恵を紹介します。
1章 悲しみのうずのなかで
2章 こころをみつめる
3章 まわりをみわたす
4章 明日をむかえる
5章 会えない人とともに
坂口幸弘
関西学院大学「悲嘆と死別の研究センター」センター長。
同大学人間福祉学部人間科学科教授。
専門は臨床死生学、悲嘆学。
30年近くにわたり、死別後の悲嘆とグリーフケアについて研究・教育にたずさわる一方、ホスピスや葬儀社、保健所、市民団体などと連携し活動してきた。
赤田ちづる
関西学院大学「悲嘆と死別の研究センター」客員研究員。
上智大学グリーフケア研究所、関西学院大学大学院人間福祉研究科で学んだのち現職。
研究のかたわら、主に関西を拠点として、グリーフケアの実践活動や支援者の養成に広く取り組む。
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百瀬雄太