



最近あまり庭文庫に来ない常連のやまだくんが前に気になると言っていたフラバルの『あまりにも騒がしい孤独』を、入荷しました。チェコの作家ミラン・クンデラがフラバルについて「フラバルは、われらの時代の最良最高の作家である」というチェコの作家ボブミル・フラバル。僕はまだ読んだことがないのだけどこの本、おもろそうです。
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東欧の想像力2
あまりにも騒がしい孤独
ボフミル・フラバル[著]/石川達夫[訳]
松籟社
2007年12月14日発行
定価:1600円+税
四六判・ハードカバー・160ページ
" “35年間僕は古紙に埋もれて生きてきた―これはそんな僕のラブ・ストーリーだ。”―故紙処理係のハニチャは、来る日も来る日も運びこまれてくる故紙をつぶしながら、時折見つかる美しい本を救い出しては、そこに書かれた美しい文章を読むことを日々の生きがいとしていたが……
ナチズムとスターリニズムの両方を経験し、過酷な生を生きざるをえないチェコ庶民。そのひとりであるハニチャが、カフカ的不条理に満ちた日々の生活の中に、一瞬の奇跡を見出そうとする姿を、メランコリックに、そして陽気に描き出す。"
ボフミル・フラバル Bohumil Hrabal, (1914-1997)
チェコの作家。ミラン・クンデラ、ヨゼフ・シュクヴォレツキーと共に、20世紀後半のチェコ文学を代表する存在。
1914年、モラヴィア地方の町ブルノに生まれ、プラハ・カレル大学で法学を修めたが、就職難のためいくつもの職業を転々としながら創作を続けた。共産党政権時代には検閲が厳しく、作品の多くが地下出版や外国の亡命出版社で出版された。
1989年の「ビロード革命」後、それまで発表できなかった作品の公刊も進み、1996年には国家功労賞を授与された。同年末から病を得て入院、翌1997年2月、鳩に餌をやろうとして、入院中の病院5階から転落し、80余年の人生を閉じた。
代表作に本書のほか『厳重に監視された列車』(邦訳は2012年、松籟社)、『わたしは英国王に給仕した』(同2010年、河出書房新社)などがある。
石川 達夫
1956年東京生まれ。東京大学文学部卒業。
プラハ・カレル大学留学の後、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。
現在、神戸大学大学院国際文化学研究科教授。スラヴ文化論専攻。
著書に、『マサリクとチェコの精神』(成文社、サントリー学芸賞および木村彰一賞)、『黄金のプラハ』(平凡社)、『プラハ歴史散策』(講談社+α新書)、『チェコ語初級』『チェコ語中級』(大学書林)、『チェコ語CD入り』(朝日出版社、共著)など。
訳書に、チャペック『マサリクとの対話』、『チャペック小説選集』第1・2・6巻(『受難像』『苦悩に満ちた物語』『外典』)、マサリク『ロシアとヨーロッパ』全3巻(Ⅱ・Ⅲは共訳)(以上、成文社)、パトチカ『歴史哲学についての異端的論考』(みすず書房)、『チャペックの犬と猫のお話』(河出文庫)などがある。
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クンデラの小説もおもろいです。チェコ。よかったら。webにも載せます。
百瀬雄太